<犬と肉>

    ある犬、肉を咥(くわ)へて川を渡る。まん中にて、その影、水に映りて大きに見えければ、「我が咥(くわ)ゆる所の肉より大きなる」と心得て、これを捨てて、かれを取らんとす。

   故(かるがゆえ)に、二つながらこれを失ふ。

 そのごとく、重欲心の輩(ともがら)は、他の宝を羨(うらや)み、事にふれて貪(むさぼ)るほどに、たちまち天罰 を蒙(かうむ)る。我が持つ所の宝をも、失う事あり。

 

 

本篇選自日本「伊曽保物語」

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